この度「樂翠亭」を美術館として一般公開することにいたし、準備を進めてまいりましたが、2011年5月に開館の運びとなりました。「樂翠(らくすい)」とは緑を楽しむという意味です。西本願寺の光照門主が以前訪れられた際、庭園の東屋を樂翠亭と名付け揮亳されたのを今に受け継いでおります。ここを訪れる皆さまには、四季の移ろう庭園の美と共に日本建築の匠の技や、和の空間で見る工芸や絵画、そして現代美術までをゆったりと鑑賞して頂けましたら幸いでございます。
    樂翠亭美術館が美術に親しむ場となり、またアートの発信地として、芸術文化活動の拠点として、多くの方達に愛されることを願っております。何卒お引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

                                                  


    もとは二階層の古い蔵を改修し展示空間としております。 天井高5.6mに及ぶ黒壁吹き抜けの空間は、平面や立体作品などの多種多様な表現の実現や、挑戦の場としての機能を持ちます。暗い空間に浮かび上がる作品は強いインパクトを放ちます。 内部の塗装は、染織家であり着物作家の丸山正氏のご協力により、着物の染料が施されております。また、「蔵」の青銅のサインは、陶芸家の内田鋼一氏による書を用いております。

    美術館の入口となるコンクリート造りの洋館の2階は、モダンな雰囲気のある空間が広がる展示室で、当館所蔵の作品を常時展覧しています。
    ※現在は企画展「伊藤慶二と薫陶を受けた作家たち」の第2会場となっております。